1.信用リスクの移転
 クレジットデフォルトスワップ(CDS)とは、債権を直接移転することなく、信用リスクのみを移転することができるデリバティブ取引です。

 CDS取引では、「プロテクション」を売買するという概念を用い、信用リスクを移転します。
 保有債権等の信用リスクを回避したい場合、CDS取引ではプロテクションの買い手となります。 プロテクションの買い手は、取引相手となるプロテクションの売り手に対し、信用リスクに基づく対価(「プレミアム」といいます。)を支払います。




2.プレミアムの計算
 CDS取引において、プロテクションの買い手は、そのリスクを引き受けるプロテクションの売り手に対し、信用リスクに基づく対価(「プレミアム」といいます。)を定期的(4半期毎が通例)に支払います。

【プレミアム計算例】
 契約元本金額は、5億円とする。
 プレミアム(利率)は、年率12bp(ベーシスポイント)とする。
 プレミアム支払日は、3、6、9、12月の各20日とする。
 日数調整方法は、支払日までの実日数(90日とする)を360日で按分する。

⇒ この前提の場合、次の支払日におけるプレミアム支払額は、以下のとおりとなる。
   契約元本金額×利率×(実日数÷360日)
   =5億円×12bp×(90÷360)
   =15万円

3.クレジットイベントの発生
 CDSは、一般に、特定の組織(「参照組織」といいます。)の信用リスクを対象とした取引となります。
 参照組織に倒産等の事象(「クレジットイベント」といいます。)が発生した場合、プロテクションの買い手は、プロテクションの売り手に保有債権を引き渡し、債権の相当額(額面額等)の金銭を受け取ります(CDSの契約が「現物決済」の場合)。
 これにより、プロテクションの買い手はクレジットイベントが発生した場合でも、保有債権により生じうる損失を回避することができます。

※CDS参考値の参照組織は、「企業」となります。 そのため、「参照企業」と表しています。



4.債権債務関係
 CDS以外にも信用リスクの取引手段として、貸出等の債権を直接移転(譲渡)する方法があります。
 この場合(債権を直接譲渡する場合)、債権者は債務者と契約関係等の調整や手続きを行う必要があります。
 一方、CDSの場合、債務者との間で手続きを行うことなく、取引当事者間の取引契約のみで信用リスクの移転を行うことができます。貸出債権の移転と比し、容易に信用リスクの移転が可能となる手段となります。

 また、CDS取引におけるプロテクションの売り手は、債務者(参照組織)と債権債務関係を持つことなく、その組織の信用リスクを引き受ける代わりに、プレミアムを得ることができます。貸出や社債購入等により、信用リスクに見合った収益を得る場合、その元本(または額面)に対する資金が必要となります。CDS取引の場合、プロテクションを売ることにより、少額の資金(担保等)で収益を得ることが可能です。

※クレジットイベント発生に伴う決済時に、参照組織の債権を移転させることがあります。